下方へ向かう螺旋は無意識の象徴だそうですが

なにやら恋人が親類がらみで精神的に参っているらしい。
すぐそばには大きな白い建物が有って、そこの屋上へ行けば
恋人の病的な症状が収まるかも知れないそうだ。
一瞬そばに付いていたほうがいいのかな、ともおもったが結局は好奇心に負けて
その学校のような病院のような民宿のような建物へ入っていった。


一階部分には何も無く、本来二階へ続く階段があるはずの場所には
長くて急なスロープが有った。
スロープは積もっていた雪でぬかるんでいて
その日履いていたバブーシュカの薄い靴底が心許なかったけれど
滑り止めに足をかけるようにして勢い良くスロープを登っていった。


その日は天気が良くて暖かかく、周囲の人達の表情も明るかった上に
通るルートが緩やかに登り方向のらせんを描いていたので
スロープを登りながら「なんか彼岸っぽいな」と少しおもった。
荒木飛呂彦が向こう側から笑顔でやってきて(誰かと談笑していた様子だった)
二階部分の入り口からこちらをちょっと覗き込んですぐに引っ込んだ。


二階部分は座敷が並んでいて、そのときは仕切っていたふすまを開け放して
細長い大広間のようになっていた。
テーブルがいくつか並んでいて、何人かの人がそこで思い思いに
談笑したり、軽食を取っていたり、寝ていたりしていた。
(移動しながら見回したが結局荒木飛呂彦は見失ったままだった)


部屋の反対側には廊下があり、
その突き当たりの階段から3階へ上がれるようだった。
しかし実際上ろうとすると手前の部屋に有った
身体測定所から職員のおっさんが出てきて


本名を教えるか病名を聞くかしないとここから先へは進めませんよ



と言われた所で目が覚めた。